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ルノーにもたらす、エンストンの「特別な何か」

2016.02.03

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 あたかもカメレオンのように何度も「色」を変えながら生き延びてきたF1チームが、この水曜日ついに苦難の日々から抜け出す。2月3日にパリ郊外で正式な体制発表が行われ、「ロータス」と呼ばれていたチームが「ルノー」になるのだ。

 2002年から2009年までのルノー・ワークスチームが再びその名を取り戻すことは、絶えず変転を続けてきた「チーム・エンストン」にとっては、また新たな一章の始まりにすぎない。トールマンとして誕生したこのチームは、最初にルノーになる前にはベネトンと名乗っていた時代もあった。

 その道程の中で、彼らは数々のスキャンダルや危機、あるいは成績の大きな浮き沈みにも耐えてきたが、おそらく2015年ほど厳しいシーズンはなかっただろう。ルノーによる買収手続きが長引いた結果、サーキット内外で様々な苦労を強いられたのだ。

 旧オーナーのジニー・キャピタルズは昨年半ばの時点で、もはや売却を決めたビジネスに金を出そうとしなくなった。その一方で買い手のルノーも、まだ自分たちのものではなく、しかも破綻寸前まで負債を膨らませたチームへの資金援助にためらいを見せていたのだ。そのため、当初は期待できそうに見えたマシンの開発は実質的に止まってしまい、チームは未払いに対する訴訟をいくつも抱えることになった。


 また、いくつかのレースで機材の到着が遅れ、日本ではホスピタリティユニットの鍵を渡してもらえないといった問題にも直面し、クルーはしばしば他のチームからの手助けに頼らざるをえなかった。

 だが、トラックサイドオペレーション・ディレクターのアラン・パーマンは、本当にチームの力量が試されたのは、まさにその時期だったと考えている。
「どのチームにも同じような底力があるとは限らないだろう。実際、他のチームの管理職の人たちと話をすると、彼らは口を揃えて『ロータスのスタッフは、どうしてあんな状態でも仕事を続けていけるのか』と不思議がっていた」と、パーマンは英国オートスポーツに語った。

「普通の人なら、あきらめて仕事を放り出し、ストライキを始めてもおかしくない状況だったのは確かだ。給与の支払いが遅れ、レースの現場でも現金が不足したりして、当然のことながら怒りを露わにする者もいたし、チーム全体が動揺していた」
「彼らはただ盲目的に仕事を続けたのでもなければ、問題を見て見ぬふりをしたわけでもなく、実際のところ、そんな状況にひどく腹を立てていた。だが、それでも彼らは何とかマシンをコースに送り出し、見事なピットストップをやってのけ、全力を尽くしていい仕事をしたいという気持ちを忘れなかった」


 そんな厳しいシーズンの中でも、ベルギーGPは特に大きな問題が降りかかったレースだった。元テストドライバーのシャルル・ピックが起こした訴訟により、レース後にマシンが当局に差し押さえられる事態にまで至ったのだ。だが、ロマン・グロージャンが見事に3位入賞を果たし、チームにとってシーズンのベストリザルトを記録したのも、そのベルギーGPだった。

「ずっと頭上に短剣がぶら下がっているような週末だった」と、パーマンは回想する。
「トラックごと機材を差し押さえられそうになったし、グランプリの前日には裁判所の人たちが押収品の目録を作っていた。そして、レース後に2台のレースカーが差し押さえられたことは、すぐにパドック中に知れ渡った。それでも私たちは、そんな出来事をすべて頭から振り払って、レースをするという仕事を続けることができた」


「あの(3位という)素晴らしい結果は、チームのみんなにとって大きな意味があり、このチームに息づくスピリットを際立たせるものだった」
 再びルノーのワークスチームになったことで、エンストンのクルーは落ち着いて仕事ができる環境と、彼らの努力にふさわしい投資を期待できるだろう。そして、この買収によりルノーが「特別な何か」を手に入れようとしているのは間違いないと、パーマンは考えている。

「私は他のチームを知らずにずっとここで育ってきた。21歳の時にこのチームで仕事を始めて、今は48歳だから、人生のうちここですごした時間が一番長い。他のチームがどんなものなのか何も知らないんだ。ただ、エンストンがよそとはかなり違っていて、本物のチームスピリット、本当の仲間意識があることはよく知っている」

「他のチームから来た人たちは、ここで仕事をするようになると良い意味で驚かされるようだ。反対に将来の出世を望んで別のチームへ移った後、その移籍先がこことは違うとこぼす者も少なくない。そうしたチームは私たちより資金が潤沢かもしれないし、コース上の成績でも優っているかもしれない。だが、職場の環境や雰囲気が全然違っていて、やはりエンストンに特別な何かがあるのは確かだと、彼らは言うんだ」

(Translation:Kenji Mizugaki/オートスポーツweb )


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