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浜島氏予想の戦力バランス、高まる跳ね馬の足音

2016.03.12

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 2月の新車発表で本格的に幕を開けた2016年のF1。開幕戦も来週末に迫っている中、先日バルセロナで行われた合同テストの内容を、元フェラーリのタイヤエンジニアで今季はセルモの総監督として国内レースの現場に復帰する浜島裕英氏が分析。今シーズンの注目ポイントを中心に各チームの戦力バランスを予想します。

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■盤石さを増したメルセデス vs 足廻り一新で好タイム連発のフェラーリ
 2016年のF1開幕までいよいよあと数日となりました。今年はどんなシーズンになるのか、私も今から楽しみにしていますが、先日行われたバルセロナテストでは各車の実力の一端を垣間見ることができました。
 まず、今季一番の注目ポイントに挙げられるのが、テスト初日から高い信頼性をみせたメルセデスAMGと全体的に速さが光ったフェラーリによるトップ争いでしょう。特にメルセデスの新車W07の信頼性には非常に驚かされました。彼らはテストのほとんどをミディアムタイヤで走っていましたが、当然ドライバーたちとしては新しいウルトラソフトで自分たちの速さを確認しておきたかったはずです。しかし彼らは来るシーズンを見据え、きっちり計画されたスケジュールのもと、今回のテストに臨んでいたように思います。

 合同テストが行われたカタルニア・サーキットはタイヤに厳しいサーキットです。今の時期、そこで新車に必要なテストプログラムを差し置いてウルトラソフトを試す必要性がどれだけあるのか? 今のところ第5戦のスペインGPまではウルトラソフトの登場はありませんし、その週末の明けには最初のインシーズンテストも控えています。従って彼らは、今回のテストでパフォーマンスを追求するよりも、ミディアムタイヤで多くの距離を走り問題点の洗い出しを行うとともに、ファクトリーでのシミュレーションデータや風洞テスト結果と実際の走行データの相関精度を詰めていくことを重点に作業を進めていたように思います。こうしたことが出来るのも今のメルセデスの強さの証であり、アドバンテージとして現れていた部分です。実際、彼らがソフトタイヤで記録した総合3番手タイムは、スーパーソフトやウルトラソフトを履いた際の伸び代を考えれば十分に速いものです。

 W07は昨年型の正常進化の印象を受けますが、バージボードやノーズおよびフロントウイングなどの細かい部分には新たな試みも見て取れますし、最も違いの大きいインダクションポッド開口部の処理からは冷却面への配慮も伺えます。昨年、圧倒的な強さをみせたW06のパッケージを継承しつつ、まだ詰めきれていなかったエリアをしっかりと埋めてきたという印象です。盤石さにさらに厚みが増したといった感じがします。


 こうなると、もはやメルセデスに死角は見当たらないという感じにさえなってしまいますが、あえてそれを求めるとすればフェラーリのパフォーマンスに期待を向けるほうが良いかもしれません。
 今年のフェラーリはフロントサスペンションをプルロッド方式からプッシュロッドに戻しました。制約されたスペースの中でサスペンションをきちんと動かし、メカニカルグリップを高めるのに有利な点に注力したことは正しいことだと思いますし、マシンにもたらす影響も大きいと思います。実際、フロントの回頭性を重視するキミ・ライコネンもセバスチャン・ベッテルと同等のタイムを出していますから、ドライバビリティ、特にフロントのメカニカルグリップは確実にアップしていると思われます。

 また彼らは、ウイリアムズタイプのショートノーズも取り入れてきました。フェラーリは昨年もショートノーズの採用を検討していましたが、プルロッドが理由で断念したと聞いています。しかしプッシュロッドに戻したことでそれも実現できた。この決断はフェラーリにとって非常に大きかったと言えるでしょう。
 ただし、今季フェラーリが真の躍進を果たせるかは変更したフロントサスペンションが実戦できちんと機能するか、またマシン後部を昨年よりも絞り込んだ分の冷却対策が十分になされているかにかかっていると思います。
 それでも、テスト全体の印象はメルセデスとの差を縮めた感じを受けますし、常にメルセデスの真後ろに位置できるのではないでしょうか。予選で何かあればメルセデス勢の間に割って入りスタートで先行する、フェラーリがそうした状況を可能にするポテンシャルへと近づきつつあると感じています。


■ダークホースはトロロッソ
 一方、この2チームに続くと予想されるウイリアムズとレッドブルですが、彼らの新車やテストの内容からは2チームを捉えるほどの要素を感じません。ウイリアムズは昨年までリヤのトラクション不足やリヤタイヤのタレが大きいといった問題を抱えていましたが、FW38ではそうした部分の改善を狙ってリヤ周辺のパーツを新たにしてきました。苦手としていた低速域でのパフォーマンス向上を図っています。しかし、タイムを出したタイヤが違うとはいえ現状でも3番手以下ですし、ラップタイムのペースもあまりいいものではありませんでした。

 逆にそういう点では、トロロッソの充実ぶりが目立っていました。周回数はメルセデスに次ぐものでしたし、総合的なタイムもカルロス・サインツJr.が4番手につけました。今年は昨年仕様のフェラーリ製パワーユニットを搭載することになりましたが、それでも上位に食い込む速さをみせています。昨年は時折レッドブルも上回るパフォーマンスをみせたものの、ルノー製パワーユニットのトラブルなどで入賞を逃すことがありましたが、今年は昨年1シーズンを戦ったフェラーリ製ユニットで信頼性も上がり、クルマの素性も悪くないのでダークホース的な存在になるのではないかと期待しています。


■マクラーレン・ホンダのQ3進出はかなりのハードル
 そしてもうひとつ、今季の注目ポイントに挙げられるのが2年目を迎えるマクラーレン・ホンダの戦いでしょう。今年の合同テストでは昨年に比べてかなり多くの周回を走ることができましたし、ホンダとしてもまだまだ基本レベルですが、まともには走れるパワーユニットを作ってきました。
 しかし、彼らが今年の目標に掲げたコンスタントな予選Q3進出は非常にハードルの高い目標だと言わざるを得ません。新車MP4-31は、サイズゼロのコンセプトを維持していますが、リヤのパッケージングは昨年よりも余裕をもたせてきました。多少、空力を犠牲にしても冷やすべきものはきちんと冷やすという考えにシフトしたことは本当に良かったと思います。ただ、テスト最終日にウルトラソフトで出した7番手タイムを素直に受け止めるなら、Q3に進むのはかなり難しいことではないでしょうか。レッドブルやウイリアムズの後ろには、上述したトロロッソや昨年並みのポテンシャルを秘めたフォース・インディアも控えています。今年の予選はエリミネーション方式の導入もありQ3に残れるのは8台になりましたが、従来のトップ10に置き換えたとしても、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンが絞り出したタイムという点も考慮すれば、コンスタントなQ3入りはかなり大変なチャレンジになると思います。

 新たなライバルとして、今年から新規参戦するハースの仕上がりの良さも無視できません。彼らがいきなりQ3争いの常連になるとは思いませんが、ハースは近年の新規チームとは明らかに違って、純粋なレーシングチームとしてF1に乗り込んできています。マシンも初回テストの3日目に2番手タイムを記録しましたが、それなりに仕上がったクルマでなければいくらスーパーソフトやウルトラソフトを履いたところでそのようなタイムを出すことはできません。新規参戦にも関わらず、順調にタイムと周回数を記録したことは立派ですし不気味さを感じます。マクラーレン・ホンダやワークスルノーなどといい勝負を繰り広げる可能性もあるのではないでしょうか。

 今のところ各車の本当の実力は、やはり開幕戦のオーストラリアGPが始まってみないことにはわかりませんが、今回のテストから多少なりとも見えたメルセデスとフェラーリによるトップ争いや、より熾烈さを増した中団グループの戦いなどは今年の見どころのひとつと言えるでしょう。そのなかで、2年目のマクラーレン・ホンダがどういった戦いをみせるのか、私も開幕が今から楽しみです。

(オートスポーツweb)


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