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寿一、“どん底”経験がGT500引退決断のきっかけ

2016.02.04

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 4日に行われたトヨタの2016年モータースポーツ活動発表会で電撃的に行われた脇阪寿一のGT500ドライバー引退宣言。この決断に至った経緯を寿一に直撃した。なお、ドライバー完全引退については否定し、スーパー耐久や86/BRZ Raceに参戦する。

 昨年はWedsSport ADVAN RC Fをドライブしていた寿一だが、今回発表された2016年レクサス陣営のGT500ドライバーラインアップにその名前は記載されていなかった。そして、発表会も終盤に差し掛かったところで登壇した寿一は「スーパーGT500クラスから退く決意」を自ら口にした。

 今回の決断の発端は昨年第3戦タイだと寿一。「タイでどん底を迎えました。レースを終えた後は闇でしたね。サーキット出るまで『GT300クラスも含めて僕より遅いやつなんていない』というくらいの気持ちでいました」と当時の心境を語った。

「そこに、たまたま(スポーツ番組の)ジャンクスポーツが取材に来ていて、彼らが僕をおっさんレーサーと面白おかしく表現しながらも、応援してくれるような映像を作ってくれました。それを見たドライバーやレース関係者、ほかのスポーツアスリートといった仲間たちが次々とアドバイスをしてくれました」

「なかでも土屋武士選手はシートポジションについてアドバイスしてくれて、それでクルマの挙動を感じることができるようになりました。しかし、そこから今度攻めていくには、メンタル面の回復など時間がかかります。その時差を感じながら取り組み、最終戦(もてぎ)では周回遅れでしたがファステストラップを取ることができました」


 一度、アスリートとしての限界を経験した寿一、しかし、後半戦に向けて上り調子にあり、今シーズンの活躍を期待していたファンも多いはず。自身も最終戦直後はモチベーションに溢れていたという。しかし、オフシーズンが進むにつれ心境が変化。特に「モータースポーツの面白さを伝える役割を果たせなくなってしまう」と感じたことが大きかったという。

「今はテンション高く話ができていますけど、本当にタイは怖かったんです。このままでは、僕が得意とするモータースポーツの面白さを伝えるという役割を果たすこともできなくなってしまうと感じました。それすらできなくなってしまったら、僕には何もなくなってしまいます」

「2016年シーズンを戦って、ぐちゃぐちゃになりながら今まで通りレースの面白さ、ドライバーの魅力を伝えていくより、少し調子が上がり始めたところでやめようと思いました。もちろん、上がっていった先を見てみたい気持ちもありましたが、上がり続けていく保証はありませんし、スーパーGTはそこまで甘い世界ではありません」

 ただ、今回こういった形で引退宣言することについて、寿一は心残りがふたつあることを明かした。

「やっぱり『今年で辞めます』と言って辞めたかったですね。スーパーGTには各レースにファンがいて、その地方の方々と地域に密着したレースができていると思います。そこに1年間、ありがとうと言いながら戦うことができませんでした」


「また、2016年も戦うモチベーションでしたから最終戦直後に辞めることを発表しませんでしたし、僕も組織に属する人間ですから、今日まで報告することができませんでした。今日まで報告することができなかったことは、ファンの力によって生かされてきた僕としては失格という感覚がありますね」

 GT500ドライバーとしては第一線から身を引くこととなったが、ドライバー“完全”引退については否定。スーパー耐久へフル参戦すること、86/BRZ Raceにも参戦することをを明かしている。

「スーパー耐久では埼玉トヨペットさん、86ではネッツ東京さんにお世話になっていますけど、彼らはレースを楽しんでいるわけではなく、モータースポーツで培ったノウハウを、顧客にフィードバックするという目的のためにレースへ出場しています。そういうことに関しては徹底的に協力していくというのが僕のスタンスです。(豊田)章男社長にも言われたように、トヨタの広報活動を担うことができれば、これ以上幸せなことはありませんよ」

 なお、チーム監督に就任するチームルマンには「ピースは揃っている」と語り、好成績への期待を語った。

(オートスポーツweb)


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