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台湾モータースポーツ探訪(2)日本との縁深し

2013.12.22

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 12月21日〜22日の2日間、台湾南部のリゾート地、大鵬湾に2011年10月に建設された大鵬湾国際サーキット(ペンベイ・サーキット)で、『TSFアジア・オールスター・チャレンジ』というレースが開催される。そのレースを取材するべく、オートスポーツweb編集部ヒラノが台湾を訪れた。

●日本とのゆかり深い場所
 前日は到着しただけになってしまったが、この日はいよいよ予選。午前は天候も良く、ペンベイ・サーキットの様子が良く見えてきた。コースをグルリと1周したので、その様子をお届けしよう。



 何度か触れたが、このコースは旧日本軍の航空基地跡に建設されており、コースは実にフラット。前半区間は高速コーナーが続きコース幅が広いが、途中から一気にタイトになり、入り組んだコーナーが続く。ウォールも近く、「後半は2秒速くても、後ろについてしまったら抜けないと思う(藤井誠暢)」と少々ストレスのたまるレイアウトだ。

 周辺に点在するのが、旧日本軍の施設跡。台湾では日本統治時代を否定的に捉えるのではなく、インフラ等が向上した時代として、日本に対する意識が好意的な部分が多いという。この大鵬湾周辺も、史跡として旧日本軍の施設を残し、公園として楽しめるようになっている。



 コースサイド等整備されていない部分も多いが、パドックはある程度のスペースはあり、後方はすぐ大鵬湾が臨む。グランドスタンドはピットビル3階に備えられ、今日は熱心なクルマ好きがスタンドに陣取った。




●憧れのスーパーGTチーム&ドライバー
 この日の夜、関係者を招いてパーティが行われたが、その席で今年の『スーパーGT公式ガイドブック 2013総集編』を大事そうに抱え、今回参戦しているGTドライバーたちにサインをもらってまわる関係者がいた。



 彼は台北まで新幹線に乗りこの本を購入するためだけに出かけたのだという。新幹線は決して安くはない。それほどまでに、スーパーGTは“憧れ”であり、GTドライバーたちを招いてともに戦うというのは、地元のジェントルマンドライバーたちにとっては嬉しいことなのだとか。



 このペンベイ・サーキットでは、今季全4戦でシリーズ戦が行われた。少しずつエントラントのレベルも上がり、この『TSFアジアオールスターチャレンジ』は、そのシリーズ戦の後のまさに集大成となるレース。まさにオールスター戦なのだ。



 ただ、そのレベルはやはりまだそこまで高くはない様子。日本のGTドライバーから、走行中も熱心にアドバイスをもらう様子が実に印象的。今回も走行を重ねるごとに一気にタイムが向上。レコードが更新されているカテゴリーも多い。




●台湾レース界の“強豪チーム”
 GT3車両やカップカーが出場するGTマスタークラス。1日見てみると、どうやらこのレースの勢力図が見えてきた。優勝を争いそうなのは3チームあり、ひとつはGAINER DIXCEL SLSをスーパーGTから招聘したトップスピード・レーシング。GAINERのメンテナンス、平中克幸のドライブと、ポールポジションを獲得するにふさわしい速さをみせた。チーム代表でジェントルマンドライバーでもあるジョージ・チョウは、楽しみながらもいささか緊張の面持ちだった。



 このチームは、とにかく派手好き。フェラーリ458のカップカーを4台走らせるが、脇阪寿一と密山祥吾を招聘し、ピット裏にはソファを並べる。常にピットの中にはクラブミュージックがかかっている。

 一方、アウディR8 LMSウルトラとR8のカップカー、ポルシェ911カップカーを走らせるJ-フライ・レーシングも強豪のひとつと言える。アウディのバックアップを受けているようで、元DTMドライバーのラヘル・フレイを招聘している。ただ、こちらはどちらかと言えば質実剛健な印象だ。



 また、GTアジアやアジアン・ル・マン・シリーズで戦う強豪クラフト・レーシングも総合優勝を争う可能性大。今回はドバイ24時間にアストンマーチン・バンテージを送ってしまっていることもありフォードGTでの参戦だが、藤井誠暢と横溝直輝がセットアップを一気に進め、予選上位に食い込んだ。



 今回のレースでは、四輪では他にSTカップ、スーパーライトというクラスがある。スーパーライトはカウルつきシングルシーターのレースだが、ウエストレーシングカーのVITA01が数多く参戦している。




●STカップは多彩なマシンバラエティ
 興味深いのがSTカップクラス。今回は日本からスーパー耐久関係者も訪れているが、聞けばペンベイ・サーキットとして最もやりたいレースはスーパー耐久だという。コースの規模、日本車が多い台湾の実情ともマッチしており、実際に開催に動いていたようだが実現しなかった。



 そこで、今季のスーパー耐久のクラス上位に声をかけ、それに応えたトレイシースポーツやシンリョウ・レーシングなどがマシンを持ち込んだ形。これに現地のエントラントが相対するのが、STカップクラスだ。



 マシンバラエティはさまざま。予選ポールはトレイシースポーツのレクサスIS350がその実力をみせたが、侮れない速さをみせるのが、BMW320si。アジア圏ではツーリングカーレースは「2リッター以下ならOK」という状況があるようで、そこで活用されるのが元WTCC車両。このBMWもその流れで台湾に来ているようだった。



 その他にも、ミニのカップカーが出場していたり、インテグラやシビックなどが走っていたりとさまざまなのだが、中にはド派手なエアロのトヨタ86(ただしあまり速さに結びついていない)や、1990年代初頭のE10系トヨタ・カローラ(!)なども。




●とにもかくにも、楽しそう
 1日予選の様子とパドックの様子、また日本人ドライバーなどに話を聞いて感じるのは、とにかく台湾のモータースポーツが「楽しそう」ということだ。まだこのペンベイ・サーキットしかコースはなく、まだ試行錯誤している最中で、プレッシャーも少ないからかもしれないが、それでも常に上を目指しているドライバーやチーム、オーガナイザーの姿が印象的だ。また、GTドライバーもリラックスして戦っている様子が感じられる。



 もちろん決勝に向けてもまだ課題は多そう。情報発信という意味でも、この日コースで見かけたプレスは10人満たない程度。台湾一のレースならば、もっと多くてもいい。



 明日の決勝は、レースを運営するトップスピード・レーシングでは1万人入りを目指しているという。実際は厳しいかもしれないが、どんなレースになるのか、今から楽しみなところだ。

(オートスポーツweb)


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