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SFエンジンの知見を反映。MOTUL×無限の新オイル

2016.01.15

 MOTULは無限(M-TEC)と共同開発したエンジンオイルを新たに発売する。『High Performance Oil MS-R』と『High Performance Oil MS-S』の2種類である。このうちMS-Rは、シビック TYPE Rなどの高性能車をターゲットに開発された商品で、スーパーフォーミュラで用いるエンジンオイルの開発を通じて培った技術がダイレクトに反映されている。

 ホンダ勢トップのランキングで2015年シーズンを終えたTEAM無限の16号車は、現行規定に移行した2014年から2.0L・直4直噴ターボエンジン、Honda HR-414Eを搭載している。高い競争力を手にするにはパワーを追い求めたいところだが、信頼性を欠いてはレースにならない。そのため、相反する要求を高いレベルで両立するエンジンオイルが必要とされる。

「MOTULさんは長年のパートナー。あうんの呼吸で仕事ができるので絶大な安心感があります」と語る勝間田聡氏(株式会社M-TEC 取締役 モータースポーツ事業部 部長)に、エンジンオイルの重要性と開発の舞台裏を説明していただいた。

* * * * *

──2013年までは3.4L・V8自然吸気(NA)エンジンで戦っていました。それが直噴ターボになることで、どのような影響があったのでしょうか。

「V8時代に使わせていただいたオイルも非常に優秀でした。安定性があり、安心して使うことができました。当初は同じスペックで開発を始めたのですが、とても無理なことがわかり、MOTULさんと一緒に専用のオイルを開発していくことになりました」



──NAと同じスペックでは無理だと判断した理由はなんでしょう。

「新しいターボエンジンは従来のNAエンジンに比べて高温になります。そこが一番の違いです。最高出力自体は従来のエンジンの方が出ていましたが、気筒あたりの出力は新しいエンジンの方が出ています。ターボ過給しているのでトルクも出ており、メタル関係は非常に厳しい。熱的にも圧力の面でも、オイルは相当厳しい条件にさらされます」


──その厳しい条件に耐えられないオイルを使うと、どうなりますか?

「高温にさらされますので、そのまま使うとスラッジ(燃えかすに由来する粘性の高い汚れ)が出たりします。エンジンオイルはターボチャージャーの冷却にも使いますが、高熱でやられてしまう危険性があります」

──どのようなプロセスで最適なエンジンオイルを追い求めていったのでしょうか。

「実走テストの機会が限られているので、ダイナモでシミュレーションをかけるのが基本です。ただし、最終確認は必ず実走で行います。MOTULさんとのお付き合いで感じているメリットのひとつは、レスポンスの早さです。テスト用のオイルをお願いすると、すぐにブレンドしていただける。レースの開発はレスポンスが大事ですが、その意味で非常に助かっています」

──MOTULとの密な連携を通じて開発した結果、粘度設定は0W40になった。

「実は粘度自体はV8時代と変わっていないんです。特別にブレンドしていただいて、成分を変えました」



──「0W」は低温粘度、「40」は高温粘度を示しています。最近はフリクションを下げるために高温粘度側を低くするのがトレンドとなっています。

「重要なのはバランスです。確かにレーシングエンジンはフリクションとの戦いで、いかにフリクションを減らしてパワーを生かすかという開発を行っています。ただし、同程度に信頼性も大事で、エンジンを壊してしまっては元も子もありません。開発を通じて安心して使えるスペックに仕上がっていますので、非常に満足しています」

──まずは信頼性を重視した。

「そうです。1年目の2014年は信頼性を重視しましたが、問題がないことがわかったので、2年目はパワーに振りました。エンジンオイルの貢献だけで数キロワットの出力向上に貢献しています。この2年間でオイルに起因するトラブルは1回もありません」


──ふだんクルマに乗っていると、エンジンオイルの重要性はなかなか実感しにくいものですが。

「エンジンオイルは非常に重要で、我々は部品の一部だと認識しています。よく例えられますが、人間で言えば、エンジンオイルは血液と一緒。我々のパフォーマンスは、エンジンオイルに助けられていると言っても過言ではありません」

──エンジンオイルに気を遣わないと、知らず知らずのうちにエンジンにダメージを与えているかもしれない……。

「そうですね。我々はレースが終わればエンジンをばらして中身を確認しますが、市販車ではまずそういうことはしません。一般の方はびっくりするんじゃないですかね、こんなに汚れているのかと。エンジンの性能を常に100%引き出したいなら、いいオイルを使うべき。これだけは間違いなく言えます」

* * * * *

 スーパーフォーミュラにおいては、エンジンオイルは各チームが独自に選んでおり、そこで差が出る。だからこそ、「絶対に負けられない」と勝間田氏は意気込む。その負けられない戦いを信頼性とパフォーマンス面で支えているのが、MOTULのエンジンオイルというわけだ。

 MS-Rはスーパーフォーミュラ直系のエンジンオイルで、粘度設定は0W40。スーパーフォーミュラが搭載する2.0L・直4直噴ターボ向けに専用開発したオイルと同じ粘度設定であり、高温・高負荷の厳しい条件にさらされる高性能エンジンとの相性がいい。メインターゲットをシビック TYPE Rなどに定めているが、どちらも高性能直噴ターボエンジンを搭載している点で共通している。

 一方、MS-SはS660をはじめとした軽自動車や、フィットやヴェゼルなどのコンパクトカーが主な対象。粘度設定は0W20、エステル配合により油膜強度を高めており、低粘度オイル(0W8や0W12、0W16、0W20など)でのサーキット走行やスポーツ走行に不安を感じているユーザーに推奨している。もちろん、MOTULと無限のコラボ商品なので、信頼性を確保しつつパワーを最大限に引き出すDNAは継承している。



■商品概要
・High Performance Oil MS-R

ハイパワーエンジンのポテンシャルを引き出す高性能エンジンオイル
発売開始日 2016年4月1日
規格 API SN相当 ACEA A3/B4
油種 100%化学合成油
粘度 0W40
・High Performance Oil MS-S
軽自動車、コンパクトカー向けエステル配合エンジンオイル
発売開始日 2016年2月1日
規格 API SN
油種 エステル配合 100%化学合成油
粘度 0W20

■MOTUL公式サイト
http://www.motul.com

(Kota Sera)


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