最新ニュース

WEC15シーズン総括2:速さで圧倒したポルシェ

2015.12.30

photo

©LAT

フォトギャラリー


 2015年のFIA世界耐久選手権(WEC)、そのシーズンを通じて圧倒的な速さを見せたのは、ポルシェ919ハイブリッドだった。8戦中6勝という圧倒的な成績であった。

 ポルシェは2014年シーズンからWECへの参戦を開始。そして、復帰後初めて勝利は、同年の最終戦サンパウロである。ただ、参戦初年度にもかかわらず、シーズン序盤からポールポジションを獲得。その回数はそれまでに4回を数えており、いきなり速さを見せつけていた。初勝利が最終戦になったのは、トラブルなどによる取りこぼしがあったためである。

 迎えた2015年。ポルシェは919ハイブリッドという前年と同じ呼称のマシンを用意した。しかし、内実は大きく異なると言えるほど、手が加えられたアップデートバージョンである。

 開幕戦シルバーストンと第2戦スパ・フランコルシャンこそ、7号車アウディe-トロン・クアトロに勝利を奪われるものの、いずれもポルシェがポールポジション。そして第3戦に組まれたル・マン24時間レースで、伏兵とも言えるスポット参戦の19号車(ニック・タンディ/アール・バンバー/ニコ・ヒュルケンベルグ組)が勝利を飾ると、その後のレースはポルシェが連戦連勝。圧倒的な強さでシーズンを制圧したのだ。

 とはいえ、弱点がなかったわけではない。例えば富士6時間レースでは、ウエットコンディションのレーススタートで後手を踏み、アウディ勢とトヨタ勢の後方に下がってしまうというシーンがあった。しかも、路面が濡れた状況では満足いくパフォーマンスを発揮することができず、ドライ路面なら1周につき1秒以上遅いはずのトヨタTS040ハイブリッドを抜きあぐねる始末。トヨタのドライバーの“意地”という部分も相当以上にあったはずだが、一度抜いても抜き返されてしまうなど、その抵抗に苦しんだ。また、ウエットコンディション下では、アウディにも引き離されてしまった。ただし、路面が乾けば無双状態。あっと言う間に前方のマシンを抜いて置き去りに。レースを通じてドライコンディションであれば、ペナルティを受けても、トラブルが発生したとしても、17号車か18号車のいずれががトップでチェッカーを受けた。


 とてつもない速さを見せた2015年のポルシェ。その速さを示す指針として、ラップタイムがあろう。例えば富士では、スーパーフォーミュラのレコードタイムに僅か0.1秒差まで迫るもの。コーナリングスピードこそスーパーフォーミュラが勝るが、直線スピードでは回生パワーを活かしてポルシェ919ハイブリッドが圧倒した。昨年初のWECタイトルを獲得したトヨタも、その前にWECを牛耳ったアウディも、今季は前年よりも速いラップタイムを記録している。しかしポルシェの伸びしろは、その上を行っていたのだ。ル・マン最多勝を誇るメーカーだとはいえ、参戦復帰2年目でのWEC制圧という結果は、さすがという他ない。

 2016年、ポルシェは今季のマシンの多くのコンセプトを洗練した発展型の919ハイブリッドでシーズンに臨むという。その新919ハイブリッドは、熱回生システム(MGU-H)と運動エネルギー回生システム(MGU-K)を2リッター4気筒エンジンに組み合わせ、約1000馬力を発生するといい、3月25日にポール・リカール(フランス)で公開される予定だという。

 ル・マンに出走する台数を2台に削減するなど(2015年は3台だった)、若干のサイズダウンはなされるものの、ドライバーラインアップは変わらず。1号車にティモ・ベルンハルト、ブレンドン・ハートレー、マーク・ウェーバーの3人が、2号車にはロマン・デュマ、ニール・ジャニ、マルク・リーブがそれぞれ乗り込むと発表されている。


 さて、7号車アウディR18 e-トロン・クアトロは、ポルシェ以外に勝利した唯一のマシンとなった。開幕戦および第2戦で連勝。その時点では、“アウディ強し”との印象も感じさせる内容だった。しかし、実はいずれのレースも、17号車ポルシェ919ハイブリッドがトラブルによりタイムロスもしくはリタイアしたための勝利であり、ポルシェが無事に走り切っていたら、アウディのふたつの勝利がどうなっていたのかは分からない。事実、ポルシェが信頼性を確保したル・マン以降のレースは、アウディはポルシェについていくことができず、結局前述の通り、連敗を喫してしまったのだから。

 ただアウディは、ポルシェやトヨタに先駆けて早くも2016年マシンを11月28日に公開した。外観イメージはこれまでとは大きく異なり、黒のカラーリングがベースになっている。もちろん、変更されたのはカラーリングだけではなく、フロントを中心とした空力デザインも一新されている。

 その内実も大きく様変わりしている。1周あたりの回生エネルギー放出量は、2015年の4MJから6MJへとアップ、そのエネルギー貯蔵システムも、フライホイール式を諦め、リチウムイオンを採用しているという。名称はR18 e-トロン・クワトロと今季と同じながら、まったく別のマシンと言うべき存在である。

 すでにアウディは、ポールリカールやセブリングなどで本格的なテストを開始していると見られ、2014年はトヨタ、2015年はポルシェに奪われてしまったタイトル奪還を目指し、すでに本気モードである。

 ポルシェ、アウディ、トヨタの3メーカーが、自社の威信をかけて戦うWEC。2016年シーズンも、目が離せそうにない。

(オートスポーツweb)


スポーツカーフォト

スポーツカー一覧を見る

©Ford

©Porsche Japan KK.

©Porsche Japan KK.

©Porsche Japan KK.

©Blancpain GT Series

©Blancpain GT Series


©Blancpain GT Series

©Blancpain GT Series

©Blancpain GT Series

©LAT

©LAT

©Toyota


スポーツカーニュース

 
 

フォトランキング

ニュース総合ランキング一覧

WRCツール・ド・コルスに幕。2010年のWRCフランス戦はアルザス地方で開催(1)

SGT公式テスト:MOTUL GT-Rが2日目午前の首位に(2)

ホンダ「来季も“サイズゼロ”のコンセプトで行く」(1)

鈴鹿モータースポーツファン感謝デー2015

USCCオースティン:01号車が優勝。OAKリジェは2位(2)





ページの先頭へ